クラゲと納豆はお友達?ー交差反応を誘発するアレルゲンコンポーネントー
Dr.けーぴょんちゃんです。
東京は雪が降っていますね⛄
中学時代まで過ごした石川県で経験した積雪量からしてみると可愛いものですが。。。
「アレルギー」を起こす物質のことを「アレルゲン」といいます。
例えばスギなどの花粉やダニなどの小昆虫、モモやキウイなど食物が「アレルゲン」となって、触れると皮膚が赤くなったりかゆくなったりすることを「アレルギー」といいます。
「アレルゲン」に含まれるたくさんの構成タンパクの中で、アレルゲン活性を有するものを「アレルゲンコンポーネント」と呼びます。細かい物質の単位というイメージを持ってください。
ここ数ー10年単位で検査感度が上昇しており、例えばアレルゲン(=花粉や果物等)の中のアレルゲンコンポーネント(=特定のタンパク)まで調べられるようになっています。
興味深いことに、食物に含まれるアレルゲンコンポーネントと、花粉や動物に含まれるアレルゲンコンポーネントが類似していることがあり、一方に反応(「感作」といいます)するともう一方にも反応(「誘発」)してしまいアレルギーを誘発することがあります。この現象を「交差反応」といいます。
文章だとわかりにくいかと思いますので具体的な例を抜粋して記載しました。
例えばこんなエピソードが考えられます。
・花粉(ヨモギ、ブタクサ、オリーブ)に感作された方の中で、生果物(リンゴ、モモ)を食したところ口がピリピリした。
・ゴム手袋に感作された方の中で、バナナやキウイを食べると皮膚が真っ赤になって呼吸が苦しくなって救急搬送になった。
・ネコを飼っている方の中で、豚肉や牛肉を食べた直後に皮膚が赤くなってかゆくなった。
・鳥類を飼っている方の中で、鶏肉や鶏卵を食べた直後に皮膚が赤くなってかゆくなった。
・ダニに噛まれた方の中で、牛肉や豚肉を食べて半日経過して皮膚が赤くなってかゆくなった。
・クラゲに刺された方の中で、納豆を食べて半日経過して皮膚が赤くなってかゆくなった。
とあるニュースでも話題になった石鹸を使用して、コムギを接種した後に運動をしたところ呼吸が苦しくなってお腹も痛くなった。
花粉と果物、ゴム手袋と果物、クラゲと納豆など一見全く関係ない同士は、実は特徴が似たような物質「アレルゲンコンポーネント」を含んでいる、っているのは面白いと思いませんか?
ちなみにこれ以上に細かいことをアレルギー専門医試験では問題されるので、発狂しそうになりながら勉強することになります笑
※非アレルギー専門の方々に興味を持っていただけるように、言葉を曖昧にしてある部分もあります。
専門家の方で「この表現は誤解を生む!」などあれば是非一緒にディスカッションさせてください!おそらく色んな研究会でご一緒している可能性がありますが。。。