Dr-Kee-pyon-chan’s diary

1日1学びと息抜き

癌をやっつける細胞の大量生産が可能に!?ーiPS誘導性NKT細胞ー

Dr.けーぴょんちゃんです。

 

ご無沙汰しております。

約1か月ぶり(2/22以降)の投稿となりました。

この1ヶ月は前半2週間が追い込み、後半2週間はポケモンで例えるとギャラドスが「はかいこうせん」を放った後にボケっとしながら日々過ごしてしいました。
伝わらないか笑

ギャラドスはかいこうせん

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この1ヶ月は

2月下旬ー3月上旬 実験祭り

3/4(土)      約3年の研究総括発表

3月上旬ー3月中旬 なんとなく実験室をうろうろ(上司に圧をかけられながら)

3月11日      山陰地方に日帰りで家業のお手伝い

3月17日ー3月18日 パートナーと軽井沢スキー旅行

3月20日ー4月2日 コロナ病棟業務で幽閉

3月23日ー     上司に実験の圧力を受ける

 

何より研究総括の発表は死ぬほど実験と準備をして臨み、上司もご満悦だったので安堵しております。これでこれまで通り医局で生きていけるかな、と。。。

どれも読者になっていただいている皆様とシェアしたいことだらけなのになかなか記事に起こせていなくて残念です。

少しずつシェアできたらなと思っています。

 

さて、本日のとあるニュースにこのような記事を見つけました。

iPSでがん治療 免疫細胞を量産、病巣を攻撃 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

実用化に至ると、抗がん剤に耐えられないような高齢患者さんや、抗がん剤の効果が乏しい一部の癌腫にも治療選択肢が広がる素晴らしい技術進化だと個人的には思います。

 

ざっくりとですが、

・ヒトの体の中では異物を食べる細胞(主に樹状細胞)-認識・排除する細胞(主にリンパ球)による「免疫機構」が存在する。

・一部の癌では細胞表面に、「俺を異物じゃないよ」といったマーカー(1例として「PD-L1,PD-L2」といった分子)を出していると、上記の異物の認識ー排除機構からすり抜けてしまう。

・これまで血液から異物を排除する細胞(ナチュラルキラーT細胞:NKT細胞)を採血から取り出して、遺伝子改変を加えて再び血液に戻すといった治療は自費診療を含めて行われているが、細胞の数が少なく治療効果も限定的であった。

・今回iPS細胞という人間の皮膚や血液などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞から、異物を排除する細胞(NKT細胞)を沢山作ることに成功した。

 

まずは体表面から物理的にアクセスできる癌腫にトライすることになるんでしょうね。

今後は、①癌細胞への特異性(癌細胞だけではなく正常細胞まで攻撃してしまわないか)②生体内でNKT細胞を異物と認識せずに性質を維持できるか③iPSで誘導したNKT細胞が形や性質が変わったりしないか(「分化」といいます)などが注目されるのではないか、と個人的には思います。

 

慢性気道炎症(喘息など)のアレルギーについてはだいぶ知識が整理されてきましたが、癌免疫は私も勉強中ですので誤解を招く表現などありましたら是非コメントで教えていただきたいです。

 

それでは、上司の圧力に屈せずのらりくらりと頑張っていきましょう(^^)/

扉が開くこと風圧、足音で上司か否か区別がつくようになってきました笑

ま、気にせず楽しむ努力を続けていきます!