Dr.けーぴょんちゃんです.
今日もエナジードリンクを飲んで頑張っています.
重症肺炎により呼吸状態悪化に伴い人工呼吸器管理を行い,その後気管切開(機械から肺に空気を送れるように喉に穴を空けること)を実施,約3ヶ月の治療とリハビリを経てようやく来週退院までこぎつけた患者さんがいます.
なんとかご本人・ご家族が希望される自宅退院に向けて,このまま見守りたいと思います.肺炎は繰り返してしまいますが退院前に再発しないか手を合わせるしかありません.
このような人工呼吸器管理を行う患者さんの退院前には,カニューレ(気管切開チューブ)交換を行います.
カニュレ交換は,在宅診療に精通された医師であれば慣れている先生や看護師さんもいらっしゃいますが,呼吸器内科の中でもあまり経験がない先生もいるのが実情です.
下手すると患者さんの病態が急変します.
という訳でカニュレ交換に慣れていなくて怖いと思われる先生方や看護師さんに向けて「1分で確認するカニュレ交換の要点」をモットーに記事を書いてみることにしました.
●用意物品
・カニュレセット(最近は付属品もセットになっています)
Aspir-Ace™ 気管切開チューブ アスパーエース™(内筒付) | Medtronic
・10mlシリンジ
・万が一のために救急カート(直ぐに再経口挿管ができるように)
●事前準備
・事前にCTで気管の走行を確認する(これは「デキル」医師はそうしています)
.カフ(=先端に付いている風船)を事前に膨らませて破損がないか確認する.
・カニュレ先端はゼリーで潤して滑りをよくする.
・カフをしぼませる前に,看護師さんにカフ上の痰や口腔内の唾液を吸引してもらう.→吸痰せずにしぼませると喀痰が垂れ込んで肺炎のリスクになります.
・酸素の数値を確認する.
●カニュレ交換
・カニュレを優しく抜く.
・カニュレを優しく挿入する.形状によっては内筒を引き抜く.
・カフを膨らませる(カフ圧計で確認を)
・付属の紐やテープで固定する
●事後
・酸素の数値を確認する.
カニュレの種類や,ヒトの解剖学的な構造を絡めた話はここでは割愛します.
「チューブを抜いていれるだけだろ」と舐めていると,いつか痛い目にある処置です.
慣れるとこんなもんか,といった感覚ですが.
今週末には,パートナーと夏季休暇の予定を立てるために旅行代理店に突撃してきます.喜んでもらえるようなスケジュール作りを目指したいと思いますv( ̄Д ̄)v イエイ