Dr.けーぴょんちゃんです。
10年に1度の寒波襲来とのことですが、たしかに寒いですね。
患者さんに対して非接触式の体温計で体温を測定していますが、ほぼ皆さん「Low」と表示されて笑ってしまいます。
さて、呼吸器内科医は、しばしば診察中に患者さんの指を診ています。
それは「ばち指」の有無を確認するためです。
「ばち指」は指先の結合組織が増殖し、爪自体や根元が盛り上がった状態の指先で、太鼓の「撥(ばち)」に似ていることに由来しています。
「ばち指」になる理由は、皮膚組織の一部が増生する因子が分泌される、など諸説唱えられていますが、はっきりと分かっていません。
「ばち指」を有する患者では、呼吸器疾患(肺癌や間質性肺炎など)のみならず、循環器疾患、消化器疾患、甲状腺疾患、リウマチ疾患など多彩な疾患を有している可能性が示唆されるので、検査を進めることが多いです。
ばち指の身体診察の1つに「Schamroth Window Test(シャムロス・ウィンドウ・テスト)」というものがあります。
赤丸の部分に隙間ができるのが正常、できないのが異常、ということです。
内科医でもこの現象は説明できても、診察方法の正式な名前までは知らない先生も多いと思います。私も知りませんでした。
呼吸器疾患を含めた早期診断には、検査だけではなく対面での診察も重要なことがあることを伝えたいですね。
参考文献
van Manen MJG, et al. Clubbing in patients with fibrotic interstitial lung diseases. Respir Med. 2017.