Dr-Kee-pyon-chan’s diary

1日1学びと息抜き

気道過敏性試験とは?ー気管支喘息の唯一無二の確定診断法(と私は考える)ー

Dr.けーぴょんちゃんです。

最近、1学びの記載をサボっておりましたm(__)m

学びが多すぎて、溺れてしまっています笑

処理能力越え・・・。

 

 

さて、皆様「気道過敏性試験」ってご存知でしょうか。

呼吸器内科医でも精通されている先生も限られているとは思います。

一言で表現すると、気管支喘息を確定診断する上で唯一無二の検査、と認識しています。

 

気道過敏性」とは、気道が気道収縮物質に対して収縮反応を示す度合いのことであり、通常よりも過剰な収縮反応を起こすことを指す。

気道過敏性の亢進は、喘息の最も特徴的な生理学的異常である。喘息の確定診断や重症度判定、治療効果判定に利用される。

検査原理としては、気道刺激物質(アセチルコリン、メサコリン、ヒスタミン等)の吸入し、主に1秒量(=ざっくりとは1秒間に吐き出せる呼気量)を評価して気道収縮を評価する。気道が収縮すると一定時間に空気を吐き出す量が減る。

喘息と他院で言われているが、診断根拠が不明な場合なども散見され、咳喘息といった喘息に似て非なる呼吸器疾患などの鑑別に有用である。

どこの施設でもできるわけではなく、被験者の身体的負担(わざわざ咳をさせる試験)でもあり、1回の検査で検査者として3-5人要するなど手間と人手を費やす。

※参考:臨床呼吸機能検査第8版(日本呼吸器学会肺生理専門委員会編)

 

無論、検査に頼りすぎずに、症状や経過を総合して気管支喘息「らしさ」をキャッチして、治療介入を行いつつ確からしい診断を下す、という流れが実臨床では行われていますし否定はしません。肯定派です。

ただ安易に「あなた喘息ですよ」と診断することによる弊害もいくつか存在するな、と患者さんのお話を聞くと痛感することもしばしばあります。

例えば血管を見やすくするような造影剤の使用が躊躇われたり、患者さん・国双方にとってのコスト増大、患者さんの不安の助長などが挙げられます。

 

大学病院であれば、そのような高度の検査が置いてあるので、開業医や地域中核病院の先生方にもお力になれますし、検査後にはちゃんと患者さんを逆紹介して、患者さんがよりよい環境で医療を受けてもらえるような流れができれば、日本で臨床を頑張る医師が増えていくのではないかな、と(僭越ながら)思います。