Dr-Kee-pyon-chan’s diary

1日1学びと息抜き

2022/02/25 うるさいいびきー睡眠時無呼吸症候群はなぜ治療するのかー

Dr.けーぴょんちゃんです。

 

睡眠時無呼吸症候群はご存知でしょうか。

ざっくりとは、寝ている最中に呼吸が止まっているもしくは浅い状態が続き、その結果体に不調をきたす疾患です。

 

「私はいびきをしているので睡眠時無呼吸症候群かもしれない」

といって受診する患者さんは想像以上に少ないです。

なぜなら、当然ですが自分ではいびきに気が付かないからです笑

 

「主人のいびきがうるさい」というしっかりした厳しい奥様に伴われて来院されるか、

「職場の健康診断で呼吸器内科に受診してこいと言われた」

どちらも、本人は嫌々、渋々受診されるわけです。

 

ここで検査や治療に入る前に大事なことは、「検査や治療のモチベーションを維持する工夫」が大切だと個人的には思っています。そのキーワードは、「事故る、止まる、詰まる、破れる、ウザがられる」です。

 

「事故る」は、睡眠時無呼吸症候群を治療しないことで、運転中の事故を起こしてしまうリスクが高まるからです。健常者より7倍の自己発生率と言われています。

「止まる」は心臓突然死のリスクになるからです。報告にもよりますが、健常人より2-4倍のリスクと説明しています。

「詰まる、破れる」は血管疾患のリスクになるからです。こちらも報告次第ですが、健常人より3-5倍のリスクと説明しています。

「ウザがられる」はそのままですが、ベッドパートナーからお叱りを受けます笑こちら興味深いのは、治療後にいびきが減ると、仲睦まじい様子でご夫婦で外来に遊びに来てくださる患者さんもいて、やりがいを感じます。

 

皆さんの周りにも、いびきがうるさいもしくは呼吸が止まっている患者さんがいれば、是非睡眠の専門家を訪ねてみてください。

 

参考サイト

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020 | Mindsガイドラインライブラリ (jcqhc.or.jp)

-forPDF (ims-itabashi.jp)